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千葉県香取郡多古町を中心に、出張自転車修理業を営む自転車サンキューのブログです。  日々の出来事や、ちょっとした事を書いていこうかと思っております。
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前回までで内部の機関は終了で、今度は車体外部を整備します。

自転車でもバイクでも車でも、走る・曲がる・止まる時に道路と接地しているのは何処でしょうか?
そうです、タイヤですよね。動力性能に大きく係わるのがタイヤです。
ゴムが柔らかい物はグリップ力が強く、曲がり易くなり、F-1のスリックタイヤが接地面積も大きいですよね。
ゴムが硬いものは耐久力があり、重量物を運ぶフォークリフトなどが分厚いゴムのタイヤです。

イメージでも分かる通り、用途によっても選択されるタイヤは違います。
また、磨耗の早さも当然違うのですが、使い続ければ減ってくる事はお分かりになるでしょう。

まずは磨耗を放置したり軽視されがちですが、実は一番重要な部品のタイヤからです。

まずは前タイヤから、IRC井上タイヤでしたので、新車時からの純正指定タイヤでしょうか?
個人的には他の海外製タイヤより信頼感がある印象です。
最近は海外のDuroデューロタイヤが指定のものが多くなっていますね。
磨耗はしにくいのですが、長期使用でゴムが硬くなり、雨で滑りやすいのではないかとちょっと気になる印象です。

さて、タイヤに戻りますが磨耗は進んでスリップサインは平面同化しそうな具合です。
スクーターはエンジンが後で、人が乗るのも後側です。前は比較的負担が少ないので、メーター距離2230キロだと2万キロは走ったのかな?と予想されます。
普通は後タイヤで7.8千キロから1万キロで交換になるはずですから、前でこれだけ磨耗すると予想も間違ってはなさそうです。

続いて後タイヤです。

ダンロップタイヤで溝が無いほどツルツルに磨耗していました。
前後メーカーの違いは別に構わないのですが、前に言ったように後に負担が大きく掛かりますので、前側1回交換につき、後側は2回の交換サイクルにはなるはずなのです。

ですから、仮に1万キロに1回とした場合、井上タイヤからダンロップで2回分の、22230キロが走行距離から予測されます。
12000キロぐらい使うとこのように溝が全く無くなります。
溝が無いと、雨を掃きだす力が全く無いので、非常に滑りやすく危険です。

事故で怪我をして治療費とバイクの修理代が掛かる前に、タイヤ代ぐらいの出費で済めば安いはずですから、早めに交換するようにしてください。


次に前タイヤを外したついでにフロントフォークの点検です。
稼動部が錆びていないか注意してください。
これはオイル式ではなくバネ式ですので、オイル漏れはなく、グリースの汚れだけでした。


左右問題も無いので次に進みます。


前ブレーキの汚れを落として清掃・脱脂しておきます。

削れカスの黒い粉がホイール側に溜まっていますので、綺麗に清掃します。
ホイールのベアリングも錆びていないか動きも点検します。
綺麗なグリースが残っていましたので、コレは問題が無いでしょう。

雨ざらしでは錆びるのは仕方がありませんが、最近の海外部品は塗装の質も悪そうです。
錆を落として再塗装する作業も増えてしまいました。

ブレーキ側のマスキング作業と研磨作業、塗装から乾くまでタイヤ交換も出来ません。
それから、バルブを直からL型に換えて、新品タイヤを組みました。

新品は溝がしっかりしてますが、タイヤは溝だけが基準ではありません。
ヒビ割れが溝の間や、横の面に出てきていたら、早めに交換してください。

次は後側です。

ブレーキは綺麗にした後ですが、こちらもホイールの塗装とタイヤ交換をしました。

これで走るエンジン・曲がるタイヤ・止まるブレーキ(タイヤも)まで全て整備しました。

あとは細かい作業として電装系の点検もあります。
次回が本当の最終回ですね。殆ど画像が無いですが、ちょっとだけ載せる予定です。店主
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前回までのエンジンから抜けていましたが、エンジン内の駆動系を忘れていたので掲載します。

スーパーカブ等普通のビジネスバイクやロード・オフロードバイクはエンジンによってスプロケットギヤを回し、チェーンによって後輪へ動力を伝えます。
スクーターはベルトによって動力を伝え、遠心力で動くクラッチと無段階変速をさせるプーリーなどで駆動系が構成されています。

以前から何度も駆動系の整備はブログに載せていますが、以前のベルト粉砕に続いて今回も非常に劣悪な状態が発生していました。
これはエンジンのO/H前に仮に異音の点検をした時のものです。

まずはプラケースを外します。コストカットでアルミのケースは極一部だけです。

キックギヤ等を外すとベルトの磨耗が酷く、傷だらけなのが見えました。
プーリーの表は綺麗ですが、何故?といった印象です。

未整備車の点検時はいつも通りに磨耗で真っ黒です。

洗浄して作業をしやすくします。
一部ケース内側に擦れた傷があったので、何か大きな不具合があったと予想されます。

プーリー裏側を見ると、在るはずの物がありません。
ネジが1個と、抑える為の金具がひとつ外れかかっていました。
いくらコストカットでも、こんな軟な金具で止める物かと疑いました。

開けてみるとスズキのコストカットで3個に設定されているウェイトローラーが見えます。
まぁ予想通りかと思いきや、余りにも磨耗して使えない部分がありました。
入っていない方の3個分が異常な磨耗・削れて割れていたのです。




そりゃあ金具の抑えるものが無かったら、ガタガタと暴れて磨耗し、壊れますよ。
まさかリコール部品対象だったのでは?とメーカーサイトを調べましたが、不明です。

コレが異音の原因かなと思ってプーリーを外したままエンジンを掛けてみましたが、クランクベアリングも間違いなく壊れていたので、どちらにせよ完全に故障していた訳です。

サービスマニュアルとパーツリストを購入し、部品を調べてみると、普通に大きな金具の設定がありました。
スズキバイクショップSBSのキーホルダーが付いていたので、前オーナーは新車購入でそこに整備を任せていたのかと思いきや、素人整備で壊してしまったのかもしれません。

いずれにせよ部品が使い物にならないので、中古部品を探して購入しました。

右上の三箇所をボルトで止める金具です。
これを付け忘れるとは考えにくいので、なんとも謎が深まる故障状態でした。
その場しのぎにしても薄く小さな金具で三箇所止めただけではああなりますよ。

交換のついでにローラーを3個から6個にして重量を変えています。
重量と効果については述べませんが、折角6個のスペースがあるのですから、バランスよく入れておこうかと思いました。
この中古購入の部品もローラーとスライドピースは磨耗して古いので処分です。


エンジン整備後の組み立て画像です。
ベルトも日本製品に換えてバッチリ駆動系が仕上がりました。

その後の試運転でもストレス無く走ることが出来ましたので、修理は成功です。

次回はタイヤ・足回り関係を載せる予定です。店主
前回でエンジンの修理が終わりました。
続いて燃料を制御するFIフューエルインジェクションのスロットルボディを清掃します。

スズキは燃料噴射装置がディスチャージポンプ式といって、燃料ポンプが不要で低コスト化と省電力・低燃費化に成功しました。
原付スクーターのFIを標準とした先駆者のような存在?
ベッ〇ーがCMでインジェクション♪インジェクション♪ガソリン節約出来るっ♪って言ってた事は覚えていますが、どのメーカーが最初に標準化したかは覚えていません。

さて、まずはボディの汚れから見てみます。

前にブローバイガス(未燃焼混合気)の話を出しましたが、これがちょっと関係しているかもしれません。
環境規制で、エンジンで爆発・排気していく混合気の流れとは別に、ブローバイガスがエンジンからエアクリーナーに戻る流れも作られています。
これはエンジン内ですから、オイルとガソリンと空気が混ざった物になります。

燃えきらない・オイルを含む・・・・ちょっと想像してみると、空気なのになんだかベタベタしてそうですよね。
それではちょっとFIから逸れますが、エアクリーナーBOXのフィルターを見てみましょう。

左側に湿っぽさと右下にオイルが溜まった後が見えます。そうです、かなり汚れやすいのです。

スポンジが劣化するとポロポロと崩れてカスをエンジンに吸い込んでしまうので、早めに交換した方が良いでしょう。

今回はもうスポンジが痛んでいたので即交換です。
以前に出した別の車両はスポンジではなくフィルター式ですが、これも酷く黒い汚れがあります。

最近の4ストローク車はこまめにエアクリーナーを点検した方が良いと思います。
点検せずに乗りっぱなしにしている方、気をつけないと壊れてしまいますよ~~~~。


さて、漸くFIに戻ります。


中まで真っ黒ですが、バタフライバルブの真鍮の黄色が戻りました。
円周は焼き色なので黒ずんで見えますが、清掃出来ています。
続いて反対側です。



おもちゃカメラの性能では奥まで綺麗に撮影出来ませんが、最後の画像を見れば綺麗になったのがお分かりになるでしょうか?

スズキの大型バイクでGSX1300Rハヤブサという1300ccという小型自動車を超えるエンジンを積んだ物がありますが、これもバタフライが汚れるという事は聞きます。

仕組みとしてもう汚れるのは防げないようなので、定期的に清掃するしかありません。

これでエンジンから吸気まで整備が終わりました。ついでに排気まで掲載します。
排気といえばマフラーですね。2stは燃えないオイルが溜まって詰まる事もあります。
4stも上の汚れを見たら分かるように、煤で真っ黒になります。
どれにしても定期的な点検・清掃が必要になります。

ただ、汚れとは別に錆で穴が開いたりするので、これも定期的に落として塗装した方が良いと思います。


明らかに錆てしまっています。新車時の塗装も薄いし、パイプも細いので錆の進行には注意が必要です。
どうしても雨ざらしになったり、雨の日は走行中に車体下部が跳ね上げ等で汚れます。


錆を落として脱脂して、耐熱塗料で塗装をしたら1時間ぐらい走行して熱で焼き付けます。
これで暫くは赤くならずに済みそうです。

これでエンジン・吸気・排気の流れまで全て終了です。
残りは足回りのタイヤ・ブレーキが残っていますので、次回掲載いたします。店主
前回のエンジン上部に続いては、いよいよ組み立ての作業となります。

作業中は手が汚れるので、画像はあまり撮影しておりません。
分解に対して組み立ては撮る意味が殆ど無いですからね。

まずはクランク軸の調整です。

これは測る場所によって千分の一や百分の一など、計測数値がまばらで非常に困りました。
経験豊富なプロはキチンと調整が出来るのでしょうが、私は何度も測る場所も変えて色々と時間が掛かりました。
支点となるベアリングやコンロッド圧入ピン位置が基本ですから、そこから外側の軸に対して測ってみました。
画像は間違った計測方法です。

次に、スクーターのクランクケースは後ろ側(右)にトランスミッションがあります。
こちらもついでにO/Hしておきます。

ギヤも一個一個洗って磨耗による鉄粉などを落とします。
こちらはそれほど磨耗も無く鉄粉もありませんでした。
クランク側はベアリングの磨耗で鉄粉も酷かったので、各部品も念入りに洗浄しています。

これでミッション側が完了です。

続いてはいよいよベアリングの圧入です。

綺麗に入りました。

次にクランク軸ですが、また専用工具が必要です。
先ほどのベアリング側に引っ張る訳ですが、その引き具合も見えないので難しいですね。
引きすぎてベアリングが動かなくなってしまうと、折角の作業が無駄になります。

カムチェーンやオイルポンプを付けます。

半分に割っていたケースを組んで、腰下側の元が出来上がりました。

続いて画像は無いですが、ピストン・リング・クリップなどを交換してシリンダーを組みます。
カムチェーンガイドやテンショナー、整備しておいた上部ヘッドを組みます。

ゼネレーターやカバーまで組んでエンジンが完了しました。

部品が錆びないように油を塗って保管していた物を、組む時はキチンと接着する為に脱脂洗浄をして、これまた錆びないように素早く組み込むので一気に進んでいます。

この後は車体フレームに乗せるのですが、組んでからだと他のFIボディなどが付けづらいので、また部品洗浄の模様を次回に載せます。店主
前回エンジン下部の分解まで掲載いたしました。
今回は最終組み立て前にシリンダーヘッド部を分解清掃します。

2ストロークエンジンのシリンダーヘッドはプラグの蓋だけですが、
4ストロークはバルブ、ロッカーアームなどの機械で複雑になっています。

ここにもベアリングが使われています。
こっちは大丈夫でしたのでそのまま使っています。

専用工具を使ってバルブを外しました。吸気と排気の2バルブ構成ですが、これは排気側です。
カーボン汚れで層が1mmぐらい厚く溜まっていました。
これが更に悪化すると、バルブがキチンと閉じないようになってしまい、エンジンの圧縮不良となってエンジンがキチンと動かなくなります。

主な原因として考えられるのが、小排気量の4ストローク車では、近所を5分ぐらい走るだけだとエンジンが充分に温まらず、燃焼不良を起こして煤が溜まりやすくなるのでないかと思われます。
対策として4ストローク車は確りと暖機運転が必要になるという事と、なるべく長時間を走って良く動かしてあげる事でしょうか。

それでもブローバイガス(未燃焼混合気)は発生しますので、環境規制から触媒を付けて、エアークリーナーBOXに戻したりしています。
そのような生ガスでエンジンオイルの劣化も早まりますので、3000キロごとの交換は必ず守らないとなりません。
私は以前にお伝えしたように、2000キロや1000キロごとでも良いと考えています。
なるべく綺麗なオイルで動かした方が、エンジンにとっても良いでしょう。

さて、続きの作業です。

下の排気ポートは勿論ですが、上の吸気ポートもブローバイの影響で汚れています。

上のバルブ画像と比べて綺麗になっているのが判りますでしょうか?


ポートの中まで綺麗にしたら、バルブとシート面を確認します。
ブラシで汚れを落とした時に細かな傷が付いたと思われますので、バルブの刷り合わせをしました。

後は部品交換しながら組み付け、最終組み立てになります。

やはり4ストロークは修理も面倒だし難しいですね。燃費は良いけど規制でパワーも無いし、
やっぱり気軽な2stの方が好きです。

次はエンジン組み立て、キャブレターではないのでFIのスロットルボディの清掃、その他タイヤとかブレーキとか細かな所が色々と残っていますので、それらを順番に掲載する予定です。店主
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プロフィール
HN:
代表 高山光弘
年齢:
44
性別:
男性
誕生日:
1980/08/10
職業:
自営業
趣味:
バイク
自己紹介:
千葉県香取郡多古町を中心に、出張自転車修理業を営む自転車サンキューです。
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